22週間

妊娠22週妊娠高血圧症候群 編

妊娠中に起こる『むくみ』、『高血圧』、これって放置して大丈夫?

笠井靖代先生

産婦人科医(第三産婦人科部長)

ご自身もママであり、経験を踏まえた、細やかで優しく的確なアドバイスには定評がある。著書『35歳からのはじめての妊娠・出産』など。

目次

  • マイナートラブルの影に、怖い『妊娠高血圧症候群』が隠れていることも。
  • 日常の動作で注意すること。
  • 妊娠20週以降でむくみが出たら、妊娠高血圧症候群にかかっていないかチェック。

マイナートラブルの影に、怖い『妊娠高血圧症候群』が隠れていることも。

子宮が大きくなってくるため徐々におなかが目立つようになってきます。この週数あたりからは、前に前にと大きくなるので、重心が後ろに下がり、『反り身』の姿勢になりがちです。これにより、腰痛などのマイナートラブルが現れる人が多くなります。また、大きくなった子宮が体内の大きな血管を圧迫するため、下半身を中心にむくみが出始める時期ですが、妊娠高血圧症候群という、進行すれば母児の生命さえ脅かす怖い病気の兆候でもあり、見逃さないようチェックしていきます。

日常の動作で注意すること。

落ちている物を拾うときも、「腰を折り曲げてとる」という動き方はやめましょう。なるべく、「膝を曲げ腰を落としてとる」ようにします。腰に負担をかけない姿勢で動作を行うようにしましょう。また、なるべく、長時間立ち続けないように。靴も、履きやすい靴を選ぶと◎。 働く妊婦さんで、事務作業が多く、デスクワークが多い人は、オフィスの椅子の高さをもう一度チェック。体に合わない高さの椅子を使っているのはよくないのでやめましょう。また日頃から、ヨガなどのストレッチを、お風呂上がりのあたたまっているときに行い、体をほぐすのは腰痛予防に効果的です。

妊娠20週以降でむくみが出たら、妊娠高血圧症候群にかかっていないかチェック。

これから後期に向けて、むくみ(浮腫)も出てきます。足がむくむことが多いと思いますが、まずは妊娠高血圧症候群のチェックが必要。全体の1割程度が発症し、特に35歳以上の方は、発症リスクが高いので要注意です。血圧を測り、上が140mmHg、下が90mmHgを超えていたら、妊娠高血圧症候群の診断となります。産科担当医の指示に従いましょう。家族歴がある人や35歳以上の人は自宅での血圧測定をしてみると良いでしょう。

22週の妊婦さんへのメッセージ