妊娠初期のお腹の痛み・出血
妊娠中に腹痛や性器出血があると、「赤ちゃんは大丈夫?」ということが一番心配になると思います。まずはそんなときの「症状の判断方法」についてです。
まず「いつ異変が起きたか」は覚えておきましょう。徐々に痛くなったのか、ある時突然痛くなったのかは重要です。「痛みの場所」もぜひ意識しましょう。全体的に痛いのか、右/左/中央、みぞおち/へそ/下の方などで分けます。
また「痛みの度合い」も重要です。歩くだけで響くのか、ぎりぎり屈めば歩けるのか、普通には歩けるが痛いくらいか、などです。「痛みの波」も重要です。常に痛いのか、痛くなったり良くなったりするのか、
また何かで良く/悪くなることがあれば、その点も把握しておくと、スムーズな診断につながります。
妊娠初期の腹痛で一番重要なのは、「子宮外妊娠(異所性妊娠)」です。その名の通り、子宮以外、例えば卵管などで妊娠することですが、破裂するとお腹の中で大量出血を引き起こし、
適切に対処しないと妊婦さん自身が亡くなることもあります。強い痛みを伴いますが、性器出血がない場合や、時期的に生理と勘違いすることもあり注意が必要です。強い痛みがある場合は、すぐに受診しましょう。
次に考えるのは、やはり流産です。出血が症状として多く、腹痛はある場合もない場合もあります。出血があるが赤ちゃんはしっかり生きている場合は「切迫流産」、赤ちゃんが亡くなっていたり、すでに排出されようとしている場合は「流産」となります。
他には卵巣出血や卵巣腫瘍の捻転で腹痛が起きることもあります。子宮が大きくなる際に中で靱帯などが引き伸ばされる痛みが、左右のチクチク感や、生理痛のような痛みとして感じられることもあります。
排便すると良くなる下腹部~左側の痛みは、便秘や下痢が影響していることも。
このような場合は様子見が可能ですが、気をつけるべき痛みは「動くだけで響くような激痛」「出血を伴う痛み」です。この場合はすぐに受診しましょう。