妊娠前・妊娠中に子宮や卵巣の病気があったら?
女性だけが持つ子宮や卵巣。赤ちゃんを産み育てるのに必要ですが、それゆえにさまざまな病気にも悩まれます。特に妊娠中に多いのが、子宮筋腫と卵巣嚢腫(のうしゅ)です。それぞれ妊娠中に痛みを引き起こしたりすることがありますが、何も対処しなくても良い場合もあります。
妊娠前に見つかっている場合には早めに対処できますし、妊娠中に見つかった場合には適宜対処が必要ですので、特にこの2つについては知っておきましょう。
なお妊娠中の子宮頸がん・子宮頸部異形成については、別記事(「妊娠と子宮頸がん」)を参照してください。
妊娠前に子宮筋腫が見つかっており、妊娠や出産の障害になりそうな場合、筋腫だけを取る手術(核出術)を行います。この場合、子宮を切開するため、出産は基本的に帝王切開となります。小さい筋腫や、妊娠後に見つかった場合は、基本的に手術は行わず、赤ちゃんと一緒に様子を見ていきます。
分娩が帝王切開の場合には、その時に一緒に筋腫も取り出すこともあります。
妊娠中の子宮筋腫は切迫早産や前置胎盤・早剥などの原因になることがあるほか、時々筋腫自体が痛みを起こすことがあります。筋腫の痛みと他の痛みは区別しにくいですが、妊娠中に腹痛を感じた場合は受診が必要です。
"卵巣の腫瘍は、悪性のもの(がん)から、良性だが消えないもの(チョコレートのう胞や奇形腫など)、良性で一時的なもの(ルテイン嚢胞など)など多彩であり、それぞれ対応が変わります。一時的なものの場合は様子見することが多いですが、
奇形腫などでは妊娠中に捻転を起こし激痛から緊急手術になることもあるため、大きさや状況に応じて手術も検討します。
まれですが悪性のものが見つかった場合には、手術を行いますが、悪性か良性かわかりにくい場合も多く、大きな病院で対応が必要です。
状況によるので、しっかりと主治医の先生と相談して進めていきましょう。