妊娠初期の体の症状

妊娠と子宮頸がん

目次

  • 子宮頸がんとは
  • 子宮頸がんと妊娠
  • 子宮頸がんの予防は「ワクチン+検診」!

子宮頸がんとは

「子宮頸がん」とは、子宮の入り口(頸部)にできるがんであり、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となります。細胞ががんの特徴を持つものを「子宮頸がん」、細胞の構築が正常と異なる場合を「子宮頸部異形成」と分けて呼ぶこともありますが、 ここでは全て「子宮頸がん」でまとめておきます。
子宮頸がんは20代から発症するようになり30-40代でピークを迎えます。若い女性や、子育て中の母親に多いことから、「マザーキラー」の別名がついており、妊娠を考える方・妊婦さんは必ず気をつけた方が良いがんです。
なお子宮の奥の方にできる「子宮体がん」は別であり、通常50代以上の女性に多くなります(本項では扱いません)。

子宮頸がんと妊娠

子宮頸がんは進行してしまうと、子宮全体を取る必要があり、妊娠ができなくなります。進行していない子宮頸がんでは「円錐切除術」といい子宮の入り口の一部を切り取る手術で済むこともありますが、この場合も流産・早産のリスクが高くなります。 状況次第ではレーザー蒸散など、切り取らない手術を行えることもありますが、総じて妊娠に影響することが多い病気です。
このような問題から、妊娠初期では必ず子宮頸がん検診を行います。万が一有所見だった場合、状況に応じて経過観察したり、 手術をしたりしますが、がんの進み具合にもよるため、それぞれでしっかり相談することが必要です。

子宮頸がんの予防は「ワクチン+検診」!

子宮頸がんは数少ない「予防できるがん」です。まずはHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を打つことで、原因となるHPVへの感染を予防できます。定期接種の対象は16歳までですが、年齢によっては自費で打つことが有効な場合もあるので、主治医にご相談ください。
またがん検診は、「20歳から、2年に1回」が原則です。日本では特に若い世代の受診率が低いので、妊娠や妊活を機に、定期的に受けるようにすると良いでしょう。
「ワクチン+検診」で予防・早期発見すれば、多くは妊娠に大きな影響が出る前に対処できます。 若いうちから、妊娠前の方にも重要ですので、是非周囲とも共有できると良いですね。

監修 / 桂木 真司 先生

宮崎大学医学部 産婦人科 主任教授