妊娠初期の体の症状

新型出生前検査(NIPT)について、知っておきたいこと

目次

  • 出生前検査とは?
  • 新型出生前検査(NIPT)とは?
  • 受ける時期・場所などはよく相談を!

出生前検査とは?

「出生前検査・診断」とは、赤ちゃんが生まれる前に、どのような病気を持っているかを検査し、診断することを指します。「先天性疾患」といい、生まれつきの病気は多数ありますが、その原因として多い染色体異常に対する遺伝学検査や、実際にエコーなどで形を見る形態学的検査があります。
出生前検査で病気を見つけることができれば、産まれる前に治療したり、すぐに治療することができます。しかし出生前検査をたくさん受ければ、赤ちゃんの病気がすべて見つかるわけではありません。これらの検査でわからない病気もありますし、検査には得意・不得意があります。 受ける際にはきちんと主治医に相談し、適切な検査を選べるようにしましょう。

新型出生前検査(NIPT)とは?

その中でも今話題のNIPT、正しくは「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(Non-Invasive Prenatal genetic Testing)」の略は、妊婦さんから採血して、赤ちゃんに染色体異常があるか、その可能性を調べる検査です。採血だけで調べられ、 特に21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー・13トリソミーは比較的高い確率で発見できるため、日本でも広まっています。ただし100%確実ではないので、これだけでダウン症などを診断することはできません。NIPTは直接赤ちゃんをみるわけではなく、 間接的に赤ちゃんを調べる検査なので、NIPTで異常の可能性があると言われた場合、赤ちゃんを直接調べる羊水検査が必要です。

受ける時期・場所などはよく相談を!

このNIPT、2022年7月から「施設認証制度」が始まりました。これまで、全く他の検査をできない産婦人科以外のクリニックなどでもNIPTが行われており、陽性と言う結果が出ても、確認する検査が容易に受けられない病気まで検査するなど、 結果で混乱する妊婦さんが増え、大きな問題となっていました。
NIPTは受ける時期や、結果をどう解釈するか、そして結果を踏まえてどうするかには、専門的な知識が必要です。特にこの領域を専門にするのが「臨床遺伝専門医」ですが、人数も少ないため、 いきなり相談できることはまれです。まずはかかりつけの産科の主治医に相談し、必要に応じて紹介してもらったりすると良いでしょう。

監修 / 桂木 真司 先生

宮崎大学医学部 産婦人科 主任教授