妊娠中期の出血・破水
妊娠中期は初期・後期に比べれば出血は起きにくい時期です。その分、起きた時には注意が必要です。張りが起きている時にはやはり切迫流産(22週未満)・切迫早産(22週以降)を考えるべきであり、特に張りと出血の両方がある場合には、受診が必要です。 特に鮮血(明るい赤色の出血)、500円玉以上の大きさの出血は、子宮周辺の新しい出血であることが多く、注意すべき状態です。これらを見つけた時には、他の症状がなくても受診するようにしましょう。
妊娠中期に限りませんが、デリケートゾーンの出血は他にも色々な要因で起きることがあります。
時折あるのが子宮頸管ポリープ。膣の奥、子宮の入り口にポリープができる病気で、時折出血することがあります。赤ちゃんに影響はありませんが、出血を繰り返す場合、慎重に取ることも検討します。
また子宮ではありませんが、痔もこの時期から増えてきます。妊婦には便秘・痔が起きやすく(「妊娠中の足の症状について」参照)、肛門からの出血は時に膣からの出血と区別がしにくくなります。痔は薬で治せるので、区別できないときは主治医に相談しましょう。
ただこれらの出血か、切迫早産などの出血かは区別が難しいものです。自己判断はせずに、出血したときにはしっかり受診しましょう。
出血と同様に怖いのが、妊娠中期の破水です。いわゆる「前期破水」と呼ばれる状態で、本当に破水だとすると、羊水が減ってしまい、近日中に出産に至ることもあります。赤ちゃんにとってかなり辛い状況になりますし、子宮内感染や常位胎盤早期剥離を起こしやすく、母体にも影響が大きいです。
ただしわかりにくいのが尿もれ。妊娠中期以降、子宮が大きくなるにつれ、膀胱も圧迫されるため、頻尿になり、尿もれも起こしやすくなります。(「妊娠中のお悩み「頻尿」」参照)
尿もれか破水かの判断は難しいため、特に多量の尿もれがあった時には、受診して検査をするのが望ましいです。