妊娠中期の体の症状

妊娠中の「かゆみ」について

目次

  • 妊娠中の「かゆみ」
  • おまたの「かゆみ」
  • おなか・皮膚の「かゆみ」

妊娠中の「かゆみ」

妊娠中に「かゆみ」を経験する人は20%いると言われています。主にかゆくなるのは外陰部(膣やデリケートゾーン)が多く、他には腹部のかゆみを経験する人も少なくありません。かゆみは日常生活で気になるのみならず、特に陰部のかゆみは対処が必要なことも少なくありません。
かゆみは妊娠が原因になることもありますが、妊娠中でない時でも起きる原因によるものが多くを占めます。妊娠中だとかゆみ止めの飲み薬や塗り薬を使っていいのか迷うところだと思いますが、多くの薬は問題ないことが大半です。どこのかゆみにしても自己判断で中止せず、まずは皮膚科や産科で相談しましょう。

おまたの「かゆみ」

膣や陰部のかゆみは多くの妊婦さんが悩む症状です。この多くの原因は「カンジダ」によるものです。カンジダは普段から体内にいる真菌(カビの仲間)ですが、妊娠中はホルモンバランスの変化から増えやすく、これが炎症をおこすとかゆみを生じます。おりものが白くぽろぽろチーズ様になるのが有名ですが、 赤ちゃんへの感染は望ましくないので、炎症を起こしている場合は治療します。
また、おりものの色が変わる場合や、臭いがするときは細菌などに感染している場合もあります。この場合は早産の原因などになることもあるため、早めに主治医に相談しましょう。

おなか・皮膚の「かゆみ」

妊娠中に皮膚のかゆみを感じた場合、様々な原因が考えられます。
有名なのが妊娠線と、妊娠性痒疹(ようしん)です。これらのかゆみは辛いですが、赤ちゃんへの影響はありません。保湿したり、冷やすと収まりますが、それでもかゆい場合は軟膏などを使うこともあります。
実はこのようなかゆみの半分近くを占め、気をつけたいのが、妊娠前からアトピーや乾燥肌などでかゆみがあった場合です。妊娠に伴い、塗り薬などをやめて再発する場合が多く、普段から使っているものを妊娠を機に中止すると、痒みがひどくなることがあります。 妊娠中も多くの塗り薬はお腹にも使って問題ないので、勝手にはやめずに、主治医に相談しましょう。

監修 / 桂木 真司 先生

宮崎大学医学部 産婦人科 主任教授