妊娠後期の体の症状

妊娠後期のお腹の張り・痛み

目次

  • 妊娠後期の「張り」
  • 問題のある「張り」は?
  • こんな時はすぐ病院に連絡を!

妊娠後期の「張り」

妊娠後期はどんどんお腹も大きくなり、張りを感じることも増えてきます。30週から産まれるまでに体重はおおよそ倍になるため、重さも、赤ちゃんの動きも増えます。また子宮がどんどん引き伸ばされ、それを軽い痛みや張りとして感じる方もいます。
出産に向けても張りは増えていくため、後期になると病院から胎動や張りのカウントも指示されると思います。そこでも言われるかと思いますが、「1時間で5,6回以上の張りを感じる」場合は、陣痛の始まりの可能性があります。37週を過ぎないと陣痛は起きないわけではなく、 むしろ起きてしまうと早産になるため問題です。このような際には急いで受診しましょう。

問題のある「張り」は?

この時期の張りで大事なのは「問題のある張り」を見分けることです。まずは「痛み」「出血」「胎動の減少」「水っぽい大量のおりもの」がある場合には、通常の張りではありません。どれか1つでもある場合、急ぎ受診しましょう。また横になると、 お腹の重さがかかりにくくなるので、張りは収まっていきます。横になっても収まらなかったり、強くなっていく場合にも早めの受診が望ましいです。
妊娠で一番トラブルが多いのは出産間際です。もう少しで赤ちゃんと会えるタイミングだからこそ、 色々な症状には気をつけ、少しでも変だと感じたら、妊婦健診以外の日でも受診するようにしましょう。

こんな時はすぐ病院に連絡を!

張りではなく痛みの場合はすぐ受診するのが望ましいですが、特に動けないくらいの強い痛みの場合には、救急車の利用も考慮します。
特に出産近くでは、常位胎盤早期剥離(早剥・ソウハク)、子宮破裂など一刻を争う緊急事態もまれですが起きます。また出血や破水を伴う場合、急速に分娩が進む場合もあるため、急ぎかかりつ病院に連絡して受診しましょう。
特に気をつけたいのは胎動減少。「お産が近くなると胎動が減る」というのは正しい情報ではありません。胎動減少は赤ちゃんが元気のないサインのこともあります。明らかに動きが少ない、いつもに比べて元気がない場合は、早めに受診するのが重要です。

監修 / 桂木 真司 先生

宮崎大学医学部 産婦人科 主任教授