胎児心拍数モニタリングについて
出産が近づくと毎週の妊婦健診でお腹に丸いセンサーをつけて、赤ちゃんの心音を記録します。出産近くの赤ちゃんの心拍数は成人の倍近く、1分間に110回~160回になります。そして元気な赤ちゃんは時々脈が早くなったりします。このような胎児の心拍の変化と、
お母さんの子宮収縮(≒陣痛)を診るのが「胎児心拍痛陣痛図」(CTG)です。お母さんのお腹に2つの丸いセンサーをつけ、それぞれが胎児心拍と子宮収縮をみています。
例えば子宮収縮が増えている場合、出産が近そうであればそのまま入院することもありますし、
赤ちゃんの元気がなさそうな所見であれば胎児超音波検査など追加の検査をしつつ、その後の対応を考えていくことになります。
胎児心拍数数モニタリングで赤ちゃんの元気さは主に胎児心拍数に基線細変動というギザギザがみられるかと一過性に頻脈が出現するかで判断しています。ただしこの頻脈が出なければ絶対に元気がないというわけではなく、赤ちゃんが寝ていたりするとこの頻脈は出にくいことが知られています。
この場合は再検査をしたり、追加でエコーを見たり、音響刺激を与えたりして、赤ちゃんを起こしてあげることもあります。
出産が近づくと、色々なトラブルが生じることも増えていきます。毎週のチェックは、赤ちゃんの元気がなくなる前に対処するための時間ではありますが、
是非赤ちゃんと対話するつもりで、ゆっくり楽しんでください。
このCTG検査(胎児心拍数モニタリング)は、出産のときにも行います。子宮収縮の頻度は子宮内の状態や陣痛の間隔を反映します。子宮収縮の頻度が高い場合は胎盤が子宮から剥がれかけた胎盤早期剥離などの状況で起こります。
子宮収縮の頻度が低い場合は陣痛が弱すぎる原因がある場合があります。
また赤ちゃんの状態も診ることで、万が一何らかのきっかけで元気がなくなった場合に、すぐに気付くことができます。このモニターは分娩室だけではなく、
色々なところで助産師や産科医が確認しています。分娩室では時に一人になることもありますが、常に状態には気を配っているので、安心してお産に臨んでくださいね。