妊娠後期の体の症状

妊娠中の足の症状について

目次

  • 妊娠中の足の症状
  • デリケートゾーンやお尻にも静脈瘤が
  • 「つり」の対処法

妊娠中の足の症状

妊娠中は子宮が大きくなり、特に下半身の血行は悪くなります。これが引き起こす症状が「つり」と「静脈瘤(じょうみゃくりゅう)」。
静脈瘤とは、足の血管が浮き出て、ぼこぼことする状態です。これらは妊娠後には多くが正常に戻りますが、結構な困りもの。妊娠中に対処する場合は、足の血行をよくすると良いです。具体的には、安静時には足を上げる、きつめのストッキングをはく、座りっぱなしや立ちっぱなしを避け、 動くようにするなどが重要です。特に仕事中が問題になるので、休憩時に足を伸ばせるような場所を使わせてもらったり、周囲に足置きを使うことなどを伝えると良いでしょう。

デリケートゾーンやお尻にも静脈瘤が

下肢静脈瘤と同じく、下半身の血行が悪くなると、肛門やデリケートゾーンに静脈瘤ができることもあります。肛門にできるのを「痔」、デリケートゾーンにできるのを「外陰部静脈瘤」と呼び、原因や対策は下肢静脈瘤と同じです。
双方とも妊娠後には改善することが多く、また外陰部静脈瘤が出産時に問題になることも多くありません。
ただし痔は出血を繰り返す場合、対処が必要です。先程紹介したものに加え、水分をよく取り、食物繊維などを意識して便秘を避ける、トイレに長くいないなどが重要です。もし痔ができてしまった場合、坐薬で治療したり、ゆるやかな下剤を用いることもあります。 妊娠中は便秘にもなりやすいので、合わせて注意していきましょう。

「つり」の対処法

足のつりは妊婦さんの3~5割が経験するとも言われ、特に寝る間に起きると辛くなります。こちらも基本的には赤ちゃんへの影響はないとされており、繰り返しても心配はいりません。
また明確な治療法もありません。先程と同じく、しっかり水分を取る、定期的に散歩など運動をする、こまめに足のストレッチをするなどが重要です。また漢方などを用いることもあります。困るくらい多い場合は、主治医に相談してみるのも良いかもしれません。

監修 / 桂木 真司 先生

宮崎大学医学部 産婦人科 主任教授