妊娠後期の体の症状

「マタ旅」ってどうなの?

目次

  • 妊娠中の旅行について
  • いつなら行ってよい?
  • どこなら行ってよい?

妊娠中の旅行について

新婚の方など、妊娠中に旅行に行きたいと考える方もいると思います。妊娠中の母体は通常とは異なること、赤ちゃんへの影響などを考慮して決めることになりますが、ここでは考えておくべきポイントをいくつか整理していきましょう。
まず覚えておいてほしいのは、「かかりつけ病院にすぐに行けないリスク」です。緊急事態に対応できる産科医療機関は、基本的にかかりつけの病院です。旅行先であれば、緊急の妊婦の受け入れをできるのは大病院のみになります。どこに行くにしても、 産科がどこにあるのか、緊急時にどこを受診するかを必ず調べて主治医と相談し、できれば紹介状をもらっておきましょう。

いつなら行ってよい?

「この時期なら絶対に問題ない」という時期はありません。妊娠中はどんな時期でも「緊急事態」が起きる可能性があることは覚えておきましょう。ただし概ね14週~22週頃は、大きな異変が起きにくい時期ではあり、旅行に行くなら比較的望ましい時期と考えられています。
逆に避けたほうが良いのは後半の時期です。例えば突然破水した時に、飛行機などでは適切な対処は難しいでしょう。特に後半の時期は、なにかあったときの産科医療機関へのアクセスがその後の状況を左右します。この意味でかかりつけにすぐ受診できるのが望ましく、旅行はおすすめしません。
また妊娠初期は流産などのアクシデントが起こりやすい時期です。旅行が原因になることは多くありませんが、この時期もすぐに病院に受診できない状況は避けた方が良いでしょう。

どこなら行ってよい?

こちらも「ここなら絶対大丈夫」という答えはありません。
飛行機含め、乗り物に乗ること自体は妊娠に悪影響を及ぼさないと考えられています。ただし乗り物の中では緊急時の対応は困難であり、すぐに降りられる電車や、移動できる車の方が良いでしょう。また長時間の座りっぱなしは血栓の原因になります。 妊婦さんは血栓ができやすいので、普段よりまめに休憩を取り、体を動かしましょう。
ただし海外旅行はリスクを知った上で行くのが望ましいです。長時間の移動時や、現地でなにかあった場合、海外では自費で医療を受けなければならず、高額になることもあります。また衛生環境によっては食中毒などのリスクもあり、注意が必要です。

監修 / 桂木 真司 先生

宮崎大学医学部 産婦人科 主任教授