「切迫流産」って何?症状は?
切迫流産とは、「流産の危険性が高い状態」を指します。日本では妊娠22週未満で妊娠が終わってしまう場合、流産と扱われます。妊娠の10~15%は流産に至ってしまうとされており、決して珍しい話ではありません。
「切迫流産」は危険性は高いものの、流産には至っておらず、赤ちゃんは生きているので区別が必要です。
「流産」がつく病名には他にも「稽留(けいりゅう)流産」「進行流産」などがありますが、切迫流産以外は全て既に赤ちゃんが亡くなっている状態を指します。
なお切迫流産と診断されたうち、9割程度がその後正常の妊娠過程に戻るといわれています。
症状としては「子宮からの出血」「下腹部痛や腰痛」が切迫流産を疑う状態になります。ただし、超音波検査で赤ちゃんが生きており、正常に発育している場合が「切迫流産」であり、発育が止まっていたり、赤ちゃんが亡くなっている場合は「流産」となるので、
症状のみでこれらを区別することは難しいのが実情です。他にも血液検査のhCGの値や、超音波検査で胎嚢(赤ちゃんの袋)の周囲に出血が見られるなどの所見が診断の参考になります。
もし多量の出血や強い下腹部痛を妊娠22週未満で認めた場合には、すぐに受診するのが望ましいですが、少量の出血では特に対処法もないため、次回の妊婦健診での相談で構わないことも多くあります。
切迫流産の治療は、現時点で効果が認められているものは残念ながらありません。進行していないか、流産に至っていないかを確認することになります。
特に妊娠初期の出血は多くがその後止まり、正常に発育するため、定期的に診ていく事が重要です。受診回数が多くなりがちになりますが、周囲や主治医に相談しつつ、進めていきましょう。
なおベッドにずっといる、などの過度な安静は、むしろお母さんの体力低下などを招きかねません。過剰な運動や、重たいものを持つのは避けた方が良いですが、日常生活程度の運動は行った方が良いと考えられています。