切迫流産・切迫早産

「切迫早産」って何?症状は?

目次

  • 切迫早産とは?
  • 切迫早産の症状
  • 切迫早産かも?と思ったら

切迫早産とは?

切迫早産とは、「早産になりかけている状態」を指します。早産とは「妊娠22週以降、37週未満での分娩」を指し、つまり適切な分娩期間である「正期産(37週~42週)」の前に赤ちゃんが産まれてしまうことです。
妊娠22週未満は赤ちゃんは母体の外で生存できないので、この時期に産まれそうになった場合は「切迫流産」と呼ばれます。
日本では「お腹の痛みがあるが、出産はまだ先の状態」から、「もう分娩になってしまいそうな状態」まで指すことがありますが、正確には「規則的な下腹部痛や性器出血、破水など、分娩の兆候があること」「実際に子宮の入り口が開き始めていること」を指します。

切迫早産の症状

自覚症状として最も重要なのは「下腹部痛」です。特に規則的、かつ頻回(10分に1回以上)の下腹部痛は、陣痛開始の目安ともされています。規則的でなくても強い痛みや、頻回な痛みは切迫早産以外の問題が起きている可能性もあります。
また性器出血があったときや、一気に水っぽいおりものが増えたときも要注意です。水っぽいおりものは尿もれとの区別が難しいですが、迷ったらかかりつけ医に相談してみましょう。
実はこれらの症状は胎盤早期剥離(早剥)の初期症状とほぼ同じです(記事参照)。とくに胎動減少を感じる場合は赤信号です。

切迫早産かも?と思ったら

これまで紹介した症状がある場合は、分娩が進んでしまう可能性があるので、すぐにかかりつけ医にまず連絡、受診しましょう。夜間や土日でも待たないようにしてください。切迫早産と思っていて、実は胎盤早期剥離と診断され、 速やかな治療が必要となることがあります。受診したら、内診したり、赤ちゃんの様子を見てその後の方針を主治医と相談していくことになります。切迫早産の対応には、入院してすぐに処置が必要なものもあれば、自宅で経過観察できるものもあります。
自宅安静の場合でも、なにかあればすぐに救急受診・入院する必要が出てくる可能性が高いので、入院の用意はしておきましょう。
切迫早産では一概に「こうするべき」とはいえませんが、これらの兆候については覚えておくと安全ですね。

監修 / 小谷 友美 先生

名古屋大学医学部 産婦人科 病院教授