働く女性の大事なツール「母健連絡カード」
母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)は、医師が発行する、「働く女性への指示事項を、医師が適切に事業主に伝達するためのツール」です。妊娠中のさまざまな症状や合併症により、それまでと同様の就労が難しくなった場合や、休む必要が生じた場合に、
妊婦健診の主治医が会社に向けて記載します。
会社は「母健連絡カード」を受け取った場合、その記載内容に応じた適切な措置を行う必要があると、男女雇用機会均等法に定められています。
またこの書類は診断書に代わる正式な証明書類とされており、更に診断書を追加することなどは原則必要ないとされています。
母健連絡カードには、「措置が必要と考えられる症状」と「必要な配慮」、「期間」が記載されます。必要な配慮は「休業」から「時短勤務」や「作業内容の制限」など細かく記載されており、また通勤の緩和や休憩時間に関する配慮も記載できるようになっているため、
それぞれの状況に合わせた細かい使い分けが可能です。カードをもらったからといって必ず休まなければならないといった事はないため、主治医から内容についてきちんと聞き、今の自分の状況・必要な就業上の配慮について理解するのが良いですね。現在、
コロナ感染に不安を感じる職場における在宅勤務や休業の措置も、このカードを通じて実施されています。
書式が母子手帳に入っていることも多いので、是非一度見てみてください。
カードを会社に出すことで、不利益な取り扱いを受けたり、最悪退職になったりしないか心配な方もいると思います。しかし、産前・産後・育児における不利益な取り扱いや解雇は、労働基準法をはじめとした各法律で禁止されています。
またこれらに反する発言や、妊娠に対するマイナスな取り扱いを示唆する発言はマタニティハラスメント(マタハラ)に該当し、男女雇用機会均等法と育児・介護休養法で対策を講じることが企業の義務とされています。
このように妊産婦に対する適切な対応は法律でも決められており、企業内や行政に相談窓口も設定されています。安心して制度を使い、何かあった場合には相談窓口を活用しましょう。