8週間

妊娠8週つわり・妊娠悪阻 編

ママの体を第一に。つらいときには、気軽に病院へ。

高倉翔先生

三重大学医学部産科・婦人科学教室 助教・産科病棟医長

目次

  • 大丈夫、赤ちゃんは元気です!いまは自分の体を一番に考えてあげてください。
  • つわりのときに、気をつけるべきことって?
  • お薬や点滴だけでも、体調は変わります。気軽にご来院ください。

大丈夫、赤ちゃんは元気です!いまは自分の体を一番に考えてあげてください。

妊娠がわかってからまだ数週。なんだか胸のあたりが気持ち悪い、というときはありませんか?それは妊娠初期に見られるつわりでしょう。つわりとは、この時期に起きる吐き気や嘔吐といった症状のこと。一般的には、妊娠5,6週からはじまり、15,16週までにはおさまります。妊婦さんの7〜8割が経験すると言われています。つらい状態でも、ママの中には、「つらくても、赤ちゃんの栄養のために食べないと…」と思われている方もきっと多いはず。でも、ご安心ください。ママの栄養摂取に関わらず、赤ちゃんは知らず知らずのうちに、しっかりと栄養を取り入れています。この時期はママ自身の身体を一番に考えて、無理をせずに過ごしてくださいね。

つわりのときに、気をつけるべきことって?

つわりのときには食事がままならないため、栄養素が不足しがちに。ご自身の体と相談しながら、無理のない範囲で下記の3つを試してみてください。

①水分をできるだけ摂取する
好きな飲み物で構いませんが、経口補水液ですと電解質も入っているのでおすすめです。
②少量を食べられるときに食べる
自分の食べやすいものを、少量でいいので、少しずつ口にしましょう。
③サプリメントで栄養補給
幅広くビタミンを補給できるマルチビタミンがおすすめです。

ただ、つらいときには無理をせず、病院にいらしてください。症状が重いと気持ちまで落ち込んできてしまうものです。そうなる前に、気軽に受診してくださいね。

お薬や点滴だけでも、体調は変わります。気軽にご来院ください。

病院にいらした際には、問診や簡単な検査を実施。お体の状態をきちんと把握した上で、お薬を処方したり、点滴を投与します。症状が重い方には入院をおすすめすることもありますが、ご自宅で過ごしたいといったご希望がある場合には、点滴での通院なども相談できますよ。(ちなみに、このように病院での治療=医療の介入がある場合には、つわりではなく妊娠悪阻と呼ばれます。)

つわりは、妊婦さんの多くがご経験されるものですが、つらさの基準は人それぞれ。吐き気どめのお薬を飲むだけでも少しラクになると思います。「他のママもつらいだろうから…」と我慢をせずに、気軽に病院にいらしてください。

8週の妊婦さんへのメッセージ