12週間

妊娠12週12週の妊婦さん 編

もう少しで胎盤が完成!おなかの中の赤ちゃんはどんなことをしている?

丸茂元三先生

産婦人科専門医

超音波専門医でもあり、今まで1万人以上の赤ちゃんを4Dエコーで診察。本アプリの4Dエコー画像の提供者。胎児行動の造詣が深い。著書『赤ちゃんはお腹の中で何をしているのか』(草思社)

目次

  • つわりは回復傾向に。流産のリスクも減りました。
  • 器官の形成が終わり、その活動がスタート。
  • 羊水量は赤ちゃんの嚥下(えんげ)や排尿機能のバロメーター。

つわりは回復傾向に。流産のリスクも減りました。

少しずつですが、おなかがふくらみ始めてきます。つわりが徐々に軽くなり、気分が良くなっていく人が多いです。食欲が回復してくるので、食べ過ぎに注意が必要です。子宮が膀胱を圧迫し、頻尿にもなります。また、しみやそばかす、中でも肝斑という、妊婦さん特有のしみに見舞われる人が多いですが、ホルモンの影響によるもので、妊娠後には徐々に戻っていきます。12週以降は、流産の確率がグッと下がってきますが、油断は大敵です。

器官の形成が終わり、その活動がスタート。

器官の形成が揃い、これからは体や手足の骨、筋肉などが発達していきます。肌も厚みが出て、顔面には産毛が。羊水の量が増え、赤ちゃんが吸ったり吐いたりする様子も。出生後に備えて、呼吸や飲み込んだり吸い込んだりする練習をしているようにも見えます。また、歯茎の中には、既に20本の乳歯の芽ともいえる『歯胚』が存在していると言われます。赤ちゃんの内臓や消化器官は未熟ながらも既に働き始めています。 この頃から、外性器も形ができてくるので、赤ちゃんのポーズや角度によっては、性別が分かることがあります。男の子のほうが分かりやすい場合が多いです。性別判定に関する豆知識ですが、諸外国の中には、中絶可能な週数(22週未満)では、医師が性別を教えてはいけない国もあります。日本は患者さんに聞かれれば見てみますが、はっきりするのは22週すぎになります。

13週の赤ちゃん。ひざを抱えて眠っているようにも見えます。

13週の赤ちゃん。ひざを抱えて眠っているようにも見えます。

羊水量は赤ちゃんの嚥下(えんげ)や排尿機能のバロメーター。

腎臓や膀胱が機能し、赤ちゃんは羊水の中でおしっこをします。羊水があるということは、おしっこがちゃんとできている証拠です。赤ちゃんはその羊水を飲んでいます。医師は羊水量が正常かどうか健診でチェックしています。羊水量が一定の範囲内にあるということは、赤ちゃんが羊水をちゃんと飲むことができて、おしっこすることができているということ、つまり、消化器や泌尿器が正常に働いていることを意味しています。 4カ月の終わり、15週頃には胎盤が完成して、ママの血液から必要な酸素と栄養が赤ちゃんに届けられるようになり、赤ちゃんの成長はスピードアップ。赤ちゃんの出す二酸化炭素や老廃物は、胎盤を通してママの血液に戻ります。

15週の赤ちゃん。右手の人差し指がはっきり!
※画像はすべて4Dエコーによるものです。

15週の赤ちゃん。右手の人差し指がはっきり! ※画像はすべて4Dエコーによるものです。

12週の妊婦さんへのメッセージ