20週間

妊娠20週体重管理 編

体重の増減といっしょに、栄養バランスにも目を向けましょう。

永松健先生

国際医療福祉大学成田病院 産科・婦人科部長 病院教授

目次

  • 「ビタミン類」「カルシウム」「鉄分」「オメガ3脂肪酸」を取り入れた食事を。
  • 食べすぎにも、食べなさすぎにもご注意を。適量を心がけて。
  • 28週目以降の急激な体重増加は、主治医の方に報告を。

「ビタミン類」「カルシウム」「鉄分」「オメガ3脂肪酸」を取り入れた食事を。

妊娠中期は、体重管理がむずかしくなってくる時期です。個人差はありますが、2週間でプラス0.5kg以内を目安にするといいでしょう。「赤ちゃんのためにたくさん食べなきゃ」と考えるお母さんもいらっしゃるかもしれませんが、大切なのは食事の量よりも栄養バランス。ビタミン類やカルシウム、鉄分のほか、イワシやサバなど小型魚類に多く含まれるオメガ3脂肪酸を摂取することを心がけてみてください。カロリーを目安にするのであれば、妊娠前よりも1日あたり300キロカロリー程度多く摂ることを意識しましょう。また、妊娠中は体型の変化に戸惑うお母さんもいらっしゃいますが、痩せすぎには注意。早産につながる可能性があります。

食べすぎにも、食べなさすぎにもご注意を。適量を心がけて。

赤ちゃんは自分に必要なものをお母さんから補給して育ちます。そのために十分な栄養をお母さんの中にストックしておくことが大切ですが、蓄える量には気をつけてください。お母さんが食べすぎて体重が極端に増えると血糖値が上がり、妊娠糖尿病のリスクが高まります。反対にストックが少なすぎると、赤ちゃんが常にお腹が空いた状態に。すると、赤ちゃんが必要以上に栄養を摂るようになるので、生まれた後に肥満や高血圧、成人病になりやすいと言われています。大事なのは、適量を意識すること。個人差があるので、気になる人は主治医の方に相談してみてください。

28週目以降の急激な体重増加は、主治医の方に報告を。

妊娠末期にあたる28週目以降に急に体重が増え、身体にむくみが出てくることがあります。その場合は、栄養の摂りすぎではなく、妊娠高血圧症候群かもしれません。「食べすぎかな?」と見過ごしてしまうお母さんも多く、発見が遅れることも。重症化するとお母さんにも赤ちゃんにも影響を及ぼすので、少しでもおかしいなと感じたら、すぐに主治医の方に連絡しましょう。28週目というと、まだちょっと先の話にはなりますが、それよりも早い時期から発症する場合もあるのでぜひ覚えておいてください。

20週の妊婦さんへのメッセージ