34週間

妊娠34週ワクチン接種 編

妊娠中のワクチン接種はいいの?

笠井靖代先生

産婦人科医(第三産婦人科部長)

ご自身もママであり、経験を踏まえた、細やかで優しく的確なアドバイスには定評がある。著書『35歳からのはじめての妊娠・出産』など。

目次

  • 妊娠中にかかると怖い、インフルエンザ。
  • インフルエンザ以外のワクチン接種について。
  • 子宮頸がんワクチンは、妊娠期間が過ぎてから再開しましょう。

妊娠中にかかると怖い、インフルエンザ。

インフルエンザのワクチンは、妊娠のどの時期でも、接種をおすすめしています。理由は、インフルエンザワクチンは、ウィルスの働きを止めた不活化ワクチンなので、理論的には胎児に感染の可能性がないこと。さらに妊娠中にインフルエンザにかかってしまうと、妊婦さんは重症化しやすいことが挙げられます。

インフルエンザ以外のワクチン接種について。

インフルエンザワクチンは、秋〜春先の流行期でなければ、焦って接種しなくてもOK。他の不活化ワクチンとして挙げられる破傷風、ジフテリア、A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎などは、差し迫った危険がなければ、妊娠中は通常は行いません。心配な人は主治医に相談してみましょう。 インフルエンザの他に、妊娠中にかかると心配な病気に、風疹があります。妊娠初期に妊婦さんが風疹にかかると、胎児が難聴、白内障、先天性心疾患などの先天性風疹症候群を起こすことがあります。妊婦さんは、妊娠初期の血液検査で風疹の抗体を持っているか調べます。もし、抗体を持っていない場合、感染をさけるために妊娠中は人ごみを避けて生活しましょう。出産後、次に妊娠したときに感染しないようワクチンを接種し、今後に備えましょう。

妊娠中のワクチン接種可否。生ワクチンでも、黄熱病のように摂取できるものはありますが、日本での発生があまりないので、妊婦さんはまず必要ないと思われます。

妊娠中のワクチン接種可否。生ワクチンでも、黄熱病のように摂取できるものはありますが、日本での発生があまりないので、妊婦さんはまず必要ないと思われます。

子宮頸がんワクチンは、妊娠期間が過ぎてから再開しましょう。

近頃、接種率が伸びている『子宮頸がんワクチン』ですが、妊娠していない時期に6カ月で3回接種することになっていますが、HPVワクチンは不活化ワクチンであり、接種してから妊娠したことに気付いても、影響を恐れる必要はありません。妊娠に気づいた場合は、妊娠期間が過ぎてから、残りの回数を接種すれば大丈夫です。妊娠中は接種を行いません。 子宮頸がんと乳がんへの対策は、ワクチンと並行して考えておきたいもの。母親として、子どものために出産後ますます健康でありたいと思うのが世の中のママ共通の願いです。子宮頸がんは、ワクチン接種と定期的ながん検診で予防や治療ができる唯一のがん。また、乳がんは35歳以上で急激に罹患率(りかんりつ)が高くなるので、半年ないし、一年に一度はがん検診を受けましょう。

34週の妊婦さんへのメッセージ