6週間

妊娠6週妊娠中の薬の服用 編

妊娠中は薬を飲んでもいいの?赤ちゃんに影響しない?

笠井靖代先生

産婦人科医(第三産婦人科部長)

ご自身もママであり、経験を踏まえた、細やかで優しく的確なアドバイスには定評がある。著書『35歳からのはじめての妊娠・出産』など。

目次

  • 妊娠に気づく前に飲んでしまった…!
  • 妊娠中は、薬を自己判断で飲まないように。
  • 一方で、飲まなければいけない薬もあります。

妊娠に気づく前に飲んでしまった…!

妊娠中は、薬の服用には注意が必要ですが、まだ妊娠とは気づかないうちに服用してしまった薬が、赤ちゃんに何か影響しないか、心配になる人も多くいます。厳密に見てみると、重篤な影響を及ぼすような問題のある薬は、非常に限られていると言われているので、過剰な心配はせず、産科の先生に相談を。

妊娠中は、薬を自己判断で飲まないように。

妊娠4~11週の時期は、赤ちゃんの体の臓器の基礎が作られている時期なので薬の服用は慎重に。胎児に奇形を起こしてしまう可能性の高い薬は、避けなければいけません。妊娠前から使っていた便秘薬、痛み止め、抗アレルギー薬なども、これからは市販薬を自己判断で使うのではなく、主治医の先生や産科の先生に相談して、処方してもらってください。
例えば花粉症の方への抗アレルギー薬は、内服薬に比べて点鼻薬・点眼薬のような局所投与のほうが影響は少ないと言われています。このように、薬の投与法を工夫することで、リスクを抑えることもあります。妊娠前から飲んでしまった薬が心配な方は、妊娠と薬情報センターの拠点病院を始め、薬の相談を受け付けている病院が全国にありますので、利用することをお勧めします。

妊娠2か月〜3か月の間は、赤ちゃんの臓器が作られていく、大切な時期です。

妊娠2か月〜3か月の間は、赤ちゃんの臓器が作られていく、大切な時期です。

一方で、飲まなければいけない薬もあります。

薬は控えたほうがいい、と一口に言っても、持病(基礎疾患)のある人が、いきなりその薬を止めてしまうと、悪化するケースがあります。甲状腺疾患や、喘息、てんかん、精神安定剤などが挙げられます。主治医の先生と相談して、場合によっては量を減らして続けていく、という選択肢もあり、その薬を『続けるリスク』と『止める(=症状を悪化させてしまう)リスク』を十分に比較検討して、方針を決めましょう。
妊娠中に、何か症状が出たために医師が処方する薬があります。妊娠中に薬を飲むことに抵抗を感じる方もいますが、抗菌薬(抗生物質)のように飲みきらないと効果が出ないものもあり、自己判断で止めたりせず、処方の際に伝えたれたようにきちんと飲みましょう。妊娠中に産科で処方されることが多い薬は、おなかの張り止め、抗菌薬、鉄剤、降圧薬などが挙げられます。

6週の妊婦さんへのメッセージ